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【2026/08/19 15:00 】 |
懐抱・前
ジャンル:切なめ





静寂に細く長い葉が風でさわさわと鳴く声だけが重なる町外れの竹林。
その中に一人佇む青年は、滑やかな細身を天に向かって伸ばす幾本もの竹に囲まれ、じっと目を瞑り、まるでそれと同化しているかのように身動き一つしない。
しかし一瞬の強風が吹いたかと思うと、それを合図かのようにす、と目を開き、漆黒の瞳を閃かせると弧を描くしなやかな蹴りで空気を薙ぐ。氣を籠めたそれは音もなく飛来した数本の鋭利な獲物を叩き落とすが、間髪入れず次の罠が青年を襲うべく放たれる。
笹の葉を切り裂き、避けるそばから次々と飛来するその獲物は苦無や様々な手裏剣の類いで、数が多く細かいだけに少しでも気を抜けばその身を裂かれてしまう。
青年は幾度目かの刃の群れをかわしながら、次の襲撃に備え辺りに目を配らせるが、不意を突いて一本遅れて飛んできた苦無に体勢を崩されかける。よろめきながらも踏み止まり、どうにかその一本を手甲で弾くが、次の瞬間背後から矢の如く忍び寄る気配に気付き、肩越しに振り返った。そうして青年は気配の正体を人と視認するが、同時に襲いかかる小太刀の一閃に避け方を見いだせず、やむ無く手甲で薙いで刃をいなし、回転の勢いそのままに蹴りを放った。しかし相手は体躯を地に伏せ紙一重でそれをかわすと、小太刀を捨て懐に飛び込み、太股から苦無を抜き青年の隙を突いてくる。しかしそれも寸での所で防ぐと、後はそこから己が肉体のみの攻防となり、ひたすら金属がぶつかり合う高い音だけが辺りに響いた。
龍の如く伸びのある体捌きと、水面を跳ねるかのような軽やかな体捌き。一進一退の攻防が続くが、しかし僅かに甘く入った苦無の隙を狙い、青年は手甲で高く弾き飛ばすと、次の苦無を抜かれる前に掌打を腹に打ち込んだ。

「っ……!!」

しかし打たれたと思ったそれは寸止めされ、辺りは踏み込んだ足が踏む枯葉の乾いた音だけを残して、再び静寂に包まれた。

「………」
「………」
「……参り…ました……」

ごくり、と息を飲む音と共に吐き出されるか細い声に青年はに、と笑うと、構えを解く。

「…うん、有り難うございました」
「――こちらこそ、有り難うございました」

相手も張り詰めた空気を解いて一息吐くと、裾を正し軽く頭を下げる。青年はそれを見届けるとぱんぱんと手を叩いて、さて、と葉の隙間から疎らに覗く中天の空を仰いだ。

「腹も減ったし、考察は飯でも食いながらしようか。な、涼浬」
「ええ、そうですね、龍斗さん」


無造作に散らばった手裏剣や苦無を集めた後、竹林を出て畦道の端に並んで落ち着いた二人は風呂敷を広げ、乾燥させた笹の葉にくるまった涼浬特製の握り飯を取り出した。

「…やはり、私ではまだまだ龍斗さんには及びませんね」

涼浬は笹の葉を開きながら、申し訳なさそうに眉間を寄せる。

「龍斗さんから相手に誘って頂いたのに、私ばかり為になって、さぞや物足りない事でしょう…」
「まさか。そんな訳ないだろ」

涼浬が開けた握り飯を渡すと、早速その内の一個にかぶり付きながら、龍斗はけろりと言って上目だけで空を仰ぐ。

「十分手強かったよ。罠は全部避ける方向を計算して仕掛けられてたし、相手が軌道を逸れそうになったら自分で牽制して調整してた。忍の本領じゃない接近戦だって少しでも油断してたら危なかった。殺傷能力は落ちるけど、小太刀以上に小回りが利いて手数も増える苦無に持ち変えたのも良かったな。随分腕上げたよ涼浬は」
「しかし私にはまだまだ余裕に見えましたが…」

涼浬がそう言うと龍斗はおもむろに腕を上げて、涼浬とは反対側の衣の脇を手前に引っ張ってくる。その龍斗の脇腹を覆っていた着物は一条裂け目を作っており、覗き込めば下の肌にはうっすら血が滲んでいた。

「あ…」
「…まだまだ余裕の奴がこんな事になるか?それに涼浬、狙いちょっと外して仕掛けてたろ?だからかすり傷で済んだけど、これが実戦だったらまずかったな」
「…申し訳ありません…」
「いや、俺がこの程度の実力だって事だよ」

龍斗は苦笑して、手にしていた握り飯の最後の一口を口に放り込むと、着物を正して次の一つを掴んで頬張った。
しかし涼浬は一つ目の握り飯にも手を付けず、何か物言いたげに握り飯を食べる龍斗の横顔を見た。
こうして龍斗と手合わせをするようになったのは、もう二月前くらいからだろうか。涼浬はその間に一つ、気付いた事があった。
それは、龍斗は本当の実力を隠している、という事。
この程度の実力。龍斗はそう言ったが、その程度の者があの息吐く間もない攻防の中、こうも冷静に相手を分析出来るものなのだろうかと思う。涼浬とて例え龍斗や兄に及ばずとも、龍閃組に与するようになってから多彩な相手と凌ぎを削る事で、幾分か腕を上げたという自負はあった。だが、いざ龍斗の拳と合わせてみると到底刃が届く気がせず、それに必死になってとても周りなど見れなかった。ましてや掌打であの様な見事な寸止めなど。
龍斗は実力を隠している。こうして戦ったからこそ、龍斗が自分に合わせているのだと聞かずとも分かる。
龍斗の事だ、何か下心がある訳でも周りを侮っている訳でもないだろう。ただある時から、涼浬の目には言い知れぬ何か哀しみがそこに見えるようになった。
そしてそのきっかけとなったのがあの大川の花火大会で、屋形船の上で雹とかいう鬼道衆の一人と対峙した時だった。
醜く四肢をひしゃげ、禍々しい鬼に変生した雹と対峙する龍斗のそれは曇っていた。何かを堪えるような、悔いるような微かだが浮かない表情。その後に彼女と交わした、まるで全てを知るかのような慈しむ言葉。いつも中庸に立つ龍斗だからこそとは思うが、あの親しみが籠る眼差しは、それだけではない事を物語っていた。
雹だけではない、鬼道衆と関わる事全てに於いて、龍斗はひとかたならぬ感情を
発露させる。そしてそれは時に、京梧や雄慶の不審を買っている事も涼浬は知っている。
何故龍斗は鬼道衆に肩を入れるのか。
しかし聞いてみようと思う度、涼浬は躊躇っていた。龍閃組できっと誰よりも幕府に近い自分に、龍斗が話してくれるとはとても思えなかったから。

「…ん、涼浬?俺の顔に何か付いてるか…?」
「…えっ?」

余程まじまじと凝視していたらしく、龍斗は少し怯えるように自分の顔を探っている。

「い、いえっ…!そうではなくて…その…すみません、何でもありません」

涼浬は慌てて否定して、そのまま俯くと握り飯を掴み、誤魔化すように黙々と下げた視線を外さないまま食べ始めた。

「涼浬」

しかし、一つ目も食べ終わらない内に龍斗に手首を掴まれると、握り飯を運ぶ手を阻まれる。

「……?龍斗さ…――」

涼浬はそれに軽く驚いて顔を上げるが、上げた先、すぐ傍近くに龍斗の顔があり、思わず息を飲んで言葉を途切れさせた。
その突然の行為に戸惑い目を見開く涼浬だが、真摯な色を宿した漆黒の瞳は、涼浬をしっかりと映して放す気配がない。

「――…あ…、あの……」
「何か俺に聞きたい事があるんだろう?」
「えっ…」

見透かされ、涼浬はぎくっと肩を強張らせる。

「この間からしょっちゅうそんな仕草見せてる。俺が気付いてないとでも思ってたか?」

龍斗はにっこりとどこか人の悪い笑みを浮かべると、涼浬の口許に付いていたらしい米粒を摘まんで食べる。

「付いてたぞ」
「っ………」

米粒が付いていたのは龍斗が食べている最中に手首を掴んだ所為だ。遊ばれているのか脅されているのか。まるで子供扱いされているような態度に涼浬はかっと頬に血を上らせると、強く怒気を含んだ声で龍斗の手を振りほどこうとした。

「なんでもありませんからっ…!ふざけてないでっ…放してください…!」

しかし龍斗はそれを許さず、再び真面目な表情を作ると、背けた涼浬の顔を覗き込んできた。

「…涼浬、俺達仲間だよな?」
「…?」
「俺達、友達だよな?」
「それが…何か?」

涼浬は怪訝そうに眉間を寄せ龍斗に視線を戻す。

「だったら何でも聞いてさ、話してくれよ。何でもないなんて言わないでさ。涼浬の話なら何でも聞きたいよ、俺は」

龍斗は穏やかな声音で優しく目を細めるが、反して涼浬は一層眉間の皺を深めると、不審の色を濃くする。

「友だから何でも…?龍斗さん、貴方がそれを言いますか?」
「…涼浬?」

静かだった涼浬の空気が尖るのを感じたのか、龍斗は僅かに怯んだように顔をしかめた。

「龍斗さん、貴方は私を仲間だと、友だと言いますが、それは本心からですか?」
「当たり前だ。俺は涼浬を大切な仲間だと…」
「ならば、何故貴方は隠しているのです?」
「え…?」
「貴方こそ、私が気付いていないとでも思っていましたか?…貴方は仲間だと言う私達に何かを隠している。あの…鬼道衆について重要な何かを」
「…―――」

もはや止められない苛立ちそのままに涼浬が核心に触れると、龍斗は目を見開いて硬直する。

「仲間だから話して欲しい。私がそう言えば龍斗さん、貴方は話して下さるのですか――?」
「………」

それでも龍斗は涼浬から視線を逸らす事はなかったが、その代わりに黙り込んでしまう。
龍斗の瞳はこんなにも澄んでいるのに、今その心は不透明で。合わせているのも辛く、涼浬は自分から責めたにも関わらず面伏せてしまった。
龍斗の事が分からない。それが何故こんなにも寂しいのか。

「………涼浬」

すっかり黙り込んでしまった二人だが、ややすると龍斗が先に重い口を開き、強さを取り戻した瞳で再び顔を上げた涼浬と対峙した。

「…俺自身もはっきりと分かっている訳じゃない。ひょっとしたら失望させるかもしれない。それでも…聞いてくれるか?涼浬」

龍斗はこれから何を言わんとするのか。失望とは一体。
微かな不安から、射抜くような強い眼差しに負けそうになるが、涼浬はその想いに応えなければならないと、精一杯の毅然とした態度で頷いた。

「…聞かなければ、失望も安心も出来ませんから」
「……分かった」

そんな虚勢が通じたのか龍斗は目を閉じ、ふぅ、と一息吐いて握りっぱなしだった涼浬の腕を放すと、向けていた上体を前に戻し、握り飯を脇に置き胡座の上で手を組んだ。
そうして視線を中空に据え、ゆっくりと口を開いた。

「――…俺は、かつて鬼道衆にいた」
「―――…え…?」
「否、いた筈だったんだ」

慎重に言葉を確かめ選ぶように、静かに静かに紡がれたその一言はすっと耳に入ってはくるが、理解するには余りに唐突で。涼浬は思わず呆然として、返す言葉を思い付けなかった。

「本当によく分からないんだ。それが現なのか夢なのかさえも。その記憶はどうしてだか俺にしかなくて、鬼道衆の誰も知らないし覚えていない。…そう、まるで俺だけを残して世界の時間が戻ってしまったような…」

龍斗はそこまで言って一寸口をつぐむと、軽く頭を振って溜息を吐くように力無く言葉を接いだ。

「…否、戻ったんだ。俺だけを残して、時間はあいつらと出会う前の春に…」

寂しそうに、ただひたすら寂しそうに微笑う龍斗の瞳は、横に座る涼浬を映さず、目の前の風景さえも通り越して遠く彼方を見ている。
龍斗も前置いたように、言っている事は意味を判じれず理解に苦しむが、その眼差しも表情も嘘を吐いてる物とは到底思えず、理解出来ようが出来なかろうが涼浬にはどう応えてよいのか分からず、隠せない動揺に瞳を左右させ、毅然とする心構えはあっけなく崩れ目を伏せてしまう。
かつて鬼道衆にいたという事は、龍斗は飛水が仕える徳川幕府の敵だったという事になり、言葉が真実だとすればまさか龍閃組とまでも闘っていたという事になるのか。否、そもそも龍斗がこちら側にいなければこうして龍閃組が存在していたのかも怪しく、涼浬もまた龍閃組に身を置いていなかったかもしれない。それ程龍斗の存在は龍閃組にとっては必要不可欠なのに、まさか江戸を乱し、人を鬼に変える外道の集団に属していたなんて。
――属せていたなんて。
涼浬は胸に生じた苦味に顔をしかめ、ぎゅっとそこに手を当てる。

「…奈涸」
「――え…?」

しかし横でぽつりと零れた良く知る名に涼浬はどきりとすると、弾かれたように顔をあげて龍斗に視線を戻した。

「奈涸も良く知っている」

涼浬と兄の複雑な経緯を知っているからか、少し慮るように微笑して龍斗もようやく涼浬に視線を戻す。

「面白い奴だったよ。少し偉そうだったけどさ、骨董の話になると途端に目の色変えて得意気に蘊蓄を披露して。俺はあんまり骨董に興味は無かったけど、出してくれる茶と菓子を目当てによく付き合っていたな」
「………」
「それに…あいつは本当に妹思いで良い奴だった」
「…―――」

奈涸。あれ程将来を嘱望されながらも仲間を、涼浬の尊敬と愛情を裏切り里を捨てた男。この手で捕らえ罪を償わせる為ようやく再びまみえた時、まさか幕府の敵に与していようとは思いもしなかった。だが、そんな事は許せる筈も無いのに、肝心のその時に涼浬は弱く、やはり捨てきれぬ情に抗えなかった。そして刑場の中再び後に残され、ただ投げられた問いに立ち尽くすしかなくて。そして今になってもまだ涼浬はその答えを決め兼ねている。

「…奈涸だけじゃない。今まで闘った鬼道衆全てを俺は良く知っている。知っているから…辛いんだ。もう俺はあいつらの傍にいない、あいつらも俺を知らない、分かっていても闘うのが辛いんだ…」

そう言った龍斗は笑んではいるけれど、やはり寂しげで。
言葉通り本当に仲間だったというのなら、闘うのが辛いというのも分かる。あれだけ優しい龍斗ならそれが尚更だろうと。そしてそんな龍斗なればこそ、人を鬼に変える様な非道な者達でも、心を動かされる事があるのかもしれない。
だが、だからこそ涼浬にはそれがもどかしい。

「……なら……ならどうして貴方は龍閃組にいるのです」

どうしてこんなに苛立つのか。

「龍閃組は公儀御密です。幕府や庶民を護るのが任務です。対して鬼道衆は江戸を乱し倒幕を狙う集団。まるで対極にある彼奴らに与していた貴方が、何故今こちらにいるのです。何故…何故鬼道衆を阻もうとする私達を友などと呼ぶのですか」

龍斗の心が見えない。

「貴方は…矛盾している…」
「涼浬…」

もう堪えきれなくなり、言い捨てると涼浬はすくっと立ち上がる。そしてその場から逃げんと踵を返すと、数歩歩いて背中越しにやや振り向いた。

「この話は聞かなかった事にします。…私には、余りにも分かりかねる…」

そうして後は返る言葉も待たず駆け出す。
どうしてだか無性に寂しく、哀しかった。そう、まるで兄がいなくなったあの日のように。
自分は今まで、一体龍斗に何を見ていたのだろう。幻と呼ぶには余りにも鮮明で大きいそれは、今も胸に確かな面影を残すけれど、もう手を伸ばすには遥かに遠く涼浬から離れてしまった。
いつの間にかこんなにも頼っていたのかと、自分の未熟さも改めて思い知らされたようで余計に辛い。
そしてこんな時でさえ、己の意思を示せない自分が情けなかった。結局あの時から、自分は何も成長していなかったのだ。
頬に何か冷たい物を感じる。けれど今は構わず、涼浬はただあの場から逃げたかった。

「………」

引き止めもせず、あっという間に豆粒程小さくなる姿を見送りながら、龍斗は自嘲気味に苦笑する。

「嫌われた、かな…」

話した所で簡単に理解を得られるとは思わなかったが、ここまで拒否反応を示されるとは思わなかった。確かに当事者である龍斗自身でさえ理解し切れていない事を、他人がいきなり告げられても理解に苦しむだろう。ましてやその相手が正真正銘の公儀御密で、関わる事はその宿敵の事であれば尚更であろう。
実際龍斗も誰にもこの事を話すつもりはなかった。いち早く気付いたのだろう京梧にもかつて問い詰められた事があったが、自分の事で無用な混乱を招きたくはないし、余計な心配を掛けたくもなかったから話さなかった。

「けれど…涼浬なら、いいかと思ったんだ…」

それでもあの時、涼浬になら話してもいいかと思えた。いや、本当は龍斗の方が聞いて欲しかったのかもしれない。他の誰でもない彼女に、一人抱えるこの苦しみを。

「涼浬…、あいつらは悪い奴らなんかじゃないよ…」

訴える相手はもういないけれど、呟いてみる。
その脳裏に蘇るのは、置いて来てしまった懐かしい居場所。
それは三味線を爪弾き、妖艶な、けれど母性を感じさせる暖かい微笑を浮かべる美しい彼女。
それは小さい身体で飛び回り、いつも生意気でやかましい弟のようなあいつ。
それは子供のように純粋に闘いが好きで、けれどだれよりも大人の目で大局を見極められる、生粋の武人である奴。
そしてそれぞれに傷や哀しみを背負い、けれど強く生きようとしている頼もしい彼ら。

「むしろ優し過ぎるんだ…あいつは…」

そしてその中でも特に強く残る、紅蓮の髪を持つ男。強いけれど、いつもどこか憂いを帯びた表情をしていて放っておけなかった彼は、鬼の面を被るには誰よりも優し過ぎた。きっと今も何かを見失ったまま、傷付き走り続けているんだろう。
もう二度と戻る事の出来ない、あの時間だけが懐かしい。

けれど―――

「………」

龍斗は脇に置いた、涼浬が握ってくれた握り飯に視線を落とす。
けれど、龍斗はまた同じくらい龍閃組の仲間を大切に思っている。真っ直ぐで潔いその姿勢は頼もしく、鬼道衆とはまた違った暖かさと生命力に溢れていて、心地良い。二つを比べるなんて出来よう筈もないし、どちらを失ってもきっと今のように哀しい。
だから、だからこそ争って欲しくはないと思う。二つを過ごした自分だからこそ分かる。龍閃組と鬼道衆は互いに手を取り合える筈なのだと。
幕府を護る為でも倒幕の為でもない。自分はその為にこそ生かされたのだと。

「涼浬…分からなくてもいいんだ…。分かってくれなんて傲慢な事は言わない…。ただそんな俺もあるんだという事を、知って欲しかったんだ…」

やはり言葉は誰の耳にも届く事なく、虚しく風に流される。
それでも龍斗はどこか晴れた表情で微笑すると、また握り飯を掴んで頬張った。
そう、自分さえしっかりしていれば、何も迷う事などないのだから。



続…?



続けたほうが…いいのかな…?
涼浬側から見ると何か彼女にフォローが欲しい所か。投げっぱなしになっちゃうものね…。まぁ気が向いたらって事で(笑)

で、うちの龍斗はデフォ通り基本みんなと仲良しです。龍も鬼も分け隔てなくです。てか主人公はみんなの希望なんやから仲良くないとね。でもその中でも特に気に懸けてるのは、ご存知涼浬と、あとは御屋形様です。
涼浬は好きな人だし、儚げで危なっかしい天然な所が放っておけないって感じで、御屋形様はなんか悩み多そうだし、周りほとんど信者ばっかりで弱味も見せれないだろうから、見てて心配で放っておけないって感じで。

拍手[2回]

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【2009/07/27 12:43 】 | 主×涼小説 | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
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